ロハスはアメリカでマーケティング用語として生まれ、日本に輸入されました。
エコ・ファッション誌「ソトコト」が、スローライフの次のムーブメントとしてロハスを大々的に取り上げ、ちょっとした流行になりましたが、
ロハスはライフスタイルであり・コンセプトであり・価値観でもありますから、その本質は消えることはありません。
なぜなら、現代における時代の大きな潮流(メガトレンド)がロハス的価値観だからです。
ロハスは「健康・環境・癒し」に関連する全ての「人・物・事」の総称として使われていますが、「Lifestyles of Health and Sustainability」の頭文字をとったものです。
Sustainability(サステナビリティ)は直訳すると「持続可能性」という意味です。
つまり「持続可能な環境=エコ」のことを指しています。
短絡的なエコではなく、もっと長い目で将来を見据えたエコロジーのことです。
Health は、ヘルシーなライフスタイルという意味です。
つまり、「健康」だけでなく「環境」だけでもない、両方バランスよく心がけたライフスタイルがロハスということになります。
ロハス的消費者は、ナチュラルな商品かどうか・本当に良質かどうかなどをきちんと見極め、自分の消費行動が社会のためになるかどうかを考えお金をつかうことが多いといわれています。
ロハス=賢い消費者と言ってもよいかもしれません。
一方、ヨガや習い事などの自己開発・自己投資を惜しまない、という一面もあります。
ある調査会社によると、ロハスを自覚する・しないに関わらず、「日本人の約3割はロハス層」と言われています。
●3大ロハス
ロハスは大きく分けると3つに分類されます。
・米国流ロハス
主にマーケティング用語として使われ、業界内で使われる。
ロハスの市場には5つの分野があるとされている。(下記の5大ジャンル参照)
・日本流ロハス
主にソトコトなどの環境系雑誌やファッション系雑誌などでスローライフの次のムーブメントとして扱われている。
・自分流ロハス
LOHASの L = Lilestyles の s(複数形)が示すように、人の数だけロハスがある。自分なりのロハスを見つけることが重要。
●ロハスの5大ジャンル
米国流ロハスには5つの分野があるとされ、それぞれの頭文字をとってSHAPEと呼ばれています。
・Sustainable Economy 持続可能な経済
再生可能なエネルギーや社会貢献型投資など
・Healthy Living 健康的な生活
オーガニック食品やサプリメントなど
・Alternative Healthcare 代替医療ヘルスケア
予防医学や補助薬品など
・Personal Development 自己開発
ヨガ、スピリチュアル、自己啓発など
Ecological Lifestyles エコロジーな暮らし
環境に配慮した家庭生活や企業活動など
●消費活動としてのロハス
ロハスの大きな特徴は、消費活動まで含まれることです。
消費というとエコロジスト的にはネガティブなイメージがありますが、 1円=1票という意識で1億人がお金を使えば確実に世界は変わります。
なんせ、日本人の総金融資産は1500兆円以上にのぼると言われているのですから。(世界一の億万長者ビルゲイツでさえその資産は6兆円程度!)
経済システムは地球環境に大きな影響を与えています。つまり「企業のロハス化無くしてエコロジーは無し」なのです。
そして最終的には、その企業の行方を左右する私たちひとりひとりの意識的な消費活動(コンシャス・コンシューマー)が重要になってくるのです。
「消費者が変われば企業が変わり、企業が変われば社会が変わり、社会が変われば地球が変わる。」
TLCではそんなビジョンをもとに、消費から世界を少しでもより良い方向に変えていくお手伝いができればと思っています。
●ビジネスとしてのロハス
社会学者のポール・レイ氏と心理学者のシェリー・アンダーソン氏による10年以上にも渡るマーケティング調査でわかってきたのは、ロハス的な消費・生き方を志向する層が約30%もいるということでした。氏はそれをカルチュラル・クリエイティブス(文化創造者)と名付けました。
ロハスはそのカルチュラル・クリエイティブから、マーケティング用語として派生した言葉です。
2005年のマーケティング調査によると、米ロハス市場は約23兆円にのぼると言われています。
ロハスビジネスの特徴は、経済の発展と環境保護の両立を目指しているところです。
ビジネスが広がれば広がるほど、地球環境に貢献したり、人々の意識の変革に貢献するのです。
●カルチュラルクリエイティブスとは
両氏の著書『The Cultural Creatives』によると、カルチュラルクリエイティブスとは、
・地球の生態系を心配している
・心と体を別々に考えるのではなく、心身全体を統合して考る健康観を持っている
・この世には不可解なことがあると認識している
・現代人にありがちなモノとココロの分裂症から回復している
・ネットワーク化の波に乗ろうとしている
・内面の成長を願い、社会的な地位にはこだわらない
・犠牲的精神が旺盛・文化活動などの創造的な時間を大切にしている
・商業主義が押しつける快楽には興味を示さない
・海外好きが多く、知識欲旺盛で、人間関係を大事にしている
などといった特徴が挙げられています。
また「メディアはカルチュラルクリエイティブの存在について全く語らない」とも述べられています。
「彼らは、社会において透明な集団です。独自の宗教や政党を作ろうとせず、本人でさえ、カルチュラルクリエイティブというカルチャーに属していることを知らないのです。」
ロハスの源流であるカルチュラルクリエイティブを知れば、ロハスの本質がみえてくるかもしれませんね。